3-9.インボイス制度④(2022.9.23)
前の記事までで現状の消費税の納められ方、令和5年10月から始まるインボイス制度についてお話しをしてきましたが、最後に「インボイス制度とライブチャット・チャットレディの関係」についてお話しをしていこうと思います。
ライブチャットに関わるパターンは幾つかあるかもしれませんが、説明を簡潔に行うため登場するのを「ライブチャット運営会社」「チャットレディ」「男性ユーザー」の3者のみでお話しをしていきます。
例えば男性ユーザーがチャットレディと1時間おしゃべりをして6,600円のポイントを支払ったとします。
この6,600円はライブチャット運営会社の売上になるわけですが、ライブチャット運営会社はチャットレディに出演料を支払いますよね?この場合の出演料を仮に4,400円とします。
さて、ここでライブチャット運営会社の立場で消費税の納め方を考えてみたいと思います。
①ライブチャット運営会社は男性ユーザーから利用料6,000円、消費税600円、合計6,600円を預かる。
②ライブチャット運営会社はチャットレディへ出演料4,000円、消費税400円、合計4,400円を支払う。
③ライブチャット運営会社は男性ユーザーから預かった消費税600円からチャットレディへ支払った消費税400円の差額200円を国に納める。
前の記事「1-8.インボイス制度③(2022.9.23)」で触れましたが、②部分について言えば「ライブチャット運営会社は【買い手】」「チャットレディは【売り手】」となります。チャットレディはライブチャットで男性ユーザーへサービスをすることでライブチャット運営会社から出演料として報酬を得る、となるわけです。
ライブチャット運営会社はチャットレディへ支払った消費税400円を証明するためにチャットレディにインボイスの発行を請求することになります。この際、次の2つのことが想定されます。
①チャットレディがインボイス制度の登録事業者にならなければインボイスの発行はされず、ライブチャット運営会社は男性ユーザーから預かった消費税600円をそのまま国へ納める。
②チャットレディがインボイス制度の登録事業者になればインボイスの発行がされ、ライブチャット運営会社は男性ユーザーから預かった消費税600円からチャットレディへ支払った消費税400円の差額200円を国に納める。
チャットレディは運営会社から預かった消費税400円を国に納める(男性ユーザーが支払った消費税600円はライブチャット運営会社が200円、チャットレディが400円納めることになります)。
「え?②に該当したらチャットレディの私は消費税を払わなければならなくなるの?」・・・これが令和5年10月からの現実になります。そしてインボイス制度の登録事業者になる場合、令和5年3月末までに登録しなければならないことになっています。
登録期限まであと半年ということでチャットレディの方は運営会社や事務所からインボイス制度について既に説明を受けているかもしれません。
もし、インボイス制度の説明がされないままで令和5年3月を迎えるとするならば、ライブチャット運営会社や事務所は上記①を選択したということになると思います。
追伸
上記の①のケースでもう1つ考えられることとして、運営会社や事務所からチャットレディの方の対して「あなたはインボイス制度の登録事業者になっていないので、報酬は出演料の4,000円のみで消費税400円の支払いはしません」と連絡があるかもしれません(していることは何ら変わっていないのですが、実質値下げということになります)。
今回「インボイス制度」について4つの記事を投稿しました。
これらの記事をご覧になったチャットレディの方々からの反響などありましたら改めて記事に取り上げて行こうと思っております。